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「美術館に行く意味がわからない」と感じる人ほど、たぶん美術鑑賞は楽しいよって話

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なんだか気がついたらミュージカルの話ばかりしていたので、今日は美術について書いてみたいと思います。

「美術館に行ったり、美術についての本を読んだりすることが好きです」と言うと、軽く引かれることが大変多いです。

別に自分ではそんなに特別なことを言っているつもりはないのですが、美術に興味のカケラもない人にとっては、異常なことのように感じるようです。

「え?美術?高尚な趣味ですね……」みたいな。

美術に限らずとも、今まで同じ様な体験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。

私の周囲は同じ様な趣味趣向の人が多かったので、「みんな美術って言うだけで変な目で見るよね」と、美術が好きなことを言うべきか言わざるべきか悩んでいる人もいました。

今では美術やらミュージカルやらの話ばかりしている私ですが、実は以前は美術館があまり好きではありませんでした。

そうですね。絵は好きだったのですが、正直に言えば、それなりなお金を支払ってまで美術館に行く意味がよくわからなかったんです。

どちらかと言えば、”明確な答え”がある博物館の方が面白いと思うタイプで、美術館ってただ絵が飾ってあるだけで、何が楽しいのかなーって思っていました。

それこそ美術好きの方にドン引きされそうですが、本当の話です。

それがここまで美術が面白いと思えるようになったのは、とある切っ掛けがありまして。ここではその出来事について書いてみたいと思います。

“美術館に行く意味”を知った日

それはとある講義の課題で、美術館を訪れたときです。
忘れもしない、印象派をテーマにした展示会でした。

レポート課題の提出が求められていたので、レポートが書けそうな気に入る絵を探して館内をぐるぐる回って。
歩くのも疲れたなーなんて考えているうちに、とある一枚の絵画と出会いました。

ポールシニャックが1933年に描いた、「コンカルノーの港」です。

その絵には船が出港する様子が描かれており、よく観察すると、全てか細かなドットで構成されていました。いわゆる、点描画です。

じっくりと近くで観ることにした私は、とあることに気が付きます。

遠くからパッと見た時は「ただの綺麗な港の絵だな」と感じただけだったのに、よく近づいて観れば、海の中にはオレンジや紫、ピンクなど色々な色の点が入り混じっているではありませんか!

Grand Canal (Venice), 1905年,ポールシニャック

(コンカルノーの画像が見つからなかったので、上の画像はイメージです) 

その瞬間、これだ!とピンと来ました。
「私はこの絵を観るために美術館に来たんだな」となんとなく思ったんですね。

と同時に、本物の絵を観る凄さや、美術館を訪れる意味を知りました。

また複数の作品を観ることで「自分の好み」を知ることもでき、美術館って”自分の好き”と出会う場所なんだなとも感じました。

そう思った瞬間に目の前がパッと明るくなった様な感じがして、それから美術館に行くのがとても楽しくなったのです。

美術鑑賞に正解はない

美術館なんて、多分美術を好きじゃ無い方が楽しいです。
美術館を楽しむ方法は、”心を空っぽにすること”に尽きると思います。

絵を眺める数分間、いろんなこと忘れたっていい。

むしろ知識があった方が、脳内が色々煩くて鑑賞の邪魔かもしれません。詳しいジャンルの展示会に行くと、私はそれで結構苦労しています。ちょっと黙ってほしい。

何を考えても不正解がないところが、芸術鑑賞の良いところだと思います。答えがないんだし、その答えを誰かに見せることもありません。

自分との対話を楽しみたいなら、ガイドなんて借りずに好き勝手に観て回ることがおすすめです。
ウロウロして、この絵変なのーとか思って。これ綺麗だなーなんて感じで。

みんな芸術鑑賞に高いゴールを求めすぎですし、すごいことって思いすぎだと感じます。

絵を観ることは、花を見るのと対して変わらないのではと思います。区切られた空間で、自分と作品だけ。何も考えずに、自分の感覚で作品を楽しんで。

それで館内のレストランでコラボメニューとか食べたり、お土産に気に入った一枚のポストカード買ったりして。

それが結構楽しいもんです。
そんなことだって、美術観察なんだから。

ね、そうやって考えると、美術鑑賞ってそんなに難しくないんだなって、思えませんか?

【おまけ】

私の好きな美術関係の本です。美術好きによる美術トークが載っている本なのですが、「へぇー!」とか「そうなんだ!」とか思えることがたくさん書かれていて、非常に面白いです。

読むと美術館に行きたくなる一冊。良ければ手にとってみてください。