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先日、太宰府まで足を延ばして、九国博で開催されていた『特別展 北斎』に行ってきました。
同展は2022年4月16日から開催されていたものの、なかなか行くタイミングを掴めず、やっと行けたのが最終日の一週間前。
ギリギリで滑り込むことができました。
ただ土日ということもあり、会場は激混み!
200人程度の長い行列に並び、ようやく展示室に入ることができました。
思えば、同じく九国博で開催された「鳥獣戯画展」の時よりも並んだ気がします。
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でも展示はとっても良かったので、並んだかいがありました!
珍しく撮影OKのスポットもあったので、鑑賞の記録を残しておきたいと思います。
『特別展 北斎』のメインは重要文化財「日新除魔図(宮本家本)」
今回の北斎展のメインは、重要文化財「日新除魔図(宮本家本)」です。
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「日新除魔図(宮本家本)」とは、北斎が魔除けのために毎朝描き続けた獅子図のこと。
2017年に九州国立博物館に寄贈され、今回の展示で、その全場面が日本初公開となりました。
展示室内は、季節ごとに分けられた獅子図がずらり。1月から12月まで、月ごとに絵が並んでいます。面倒になったのか、2〜3日をまとめて1日分としているものもありました。
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絵の下には「描かれた日付」と「おすすめのコメント」(たまに)が記されているのですが、これが本当に面白くて。クスっと笑えるようなものも多く、思わず時間を忘れて眺めてしまいました。
個人的なお気に入りはコレ。獅子と犬が喧嘩しているのですが、「お釈迦さまの誕生日にケンカしたらアカン」とのコメントが記されています。
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「副館長おすすめ」ともあるので、副館長さんがコメントを書かれたのかもしれません。
ちょっと漫画チックで、なんだか癒やされる一枚でした。
ほかにも、12月になるほど絵が上手になっている気がするのも、面白いなと感じたポイントのひとつ。
北斎相手に「絵が上達してる」なんて失礼な気もしますが、筆の運びや強弱などが、1月とは異なっているような印象を受けました。
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記録によれば、北斎は以下のような体勢で獅子図を描いていたとのこと。
隣にいるのは、娘さんだそうです。描きにくそうに思えますが、昔はこれが普通だったのでしょうね。
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ジャポニスムに関連する展示物も!
撮影OKのスポットは「日新除魔図」だけだったので、写真はこれでおしまいなのですが、他にも面白い物が数多く展示されていました。
有名な「富嶽三十六景」はもちろん、北斎と名乗る前の駆け出しの頃の作品や、歌川広重の「富士三十六景」も観ることができました。
そんな数多くの展示の中でも、最も興味深かったのがジャポニスムのセクション。
これは単に、私がこの辺りの時代が好きだからもあるのですが笑
周知の通り、北斎の作品は海外の芸術に対して幅広い影響を与えています。
そのため今回の展示でも、日本の美術品に影響を受けたランプや、陶芸などが複数展示されていました。
印象深かったのは、北斎をはじめとした浮世絵の影響を受けた海外の作品だけでなく、「海外の影響を受けた日本の芸術品」も展示されている点です。
ただ単に「ジャポニスムは浮世絵の影響を受けている」ことを主張するだけでなく、海外の作品の影響を受けて、日本の芸術品がどう変化したのかも展示されている。それがとても興味深いなと感じました。
なかでも特に印象に残ったのは、安田雷洲の『赤穂義士報讐図』でした。
この絵のことはまったく知らなかったのですが、既視感を覚える妙な構図に不思議な印象を受け、よく見てみれば聖母子像になっている!
なんと聖母マリアが大石内蔵助になり、イエスは吉良上野介の首になっていました。
この元絵は、アルノルト・ハウプラーケンの『羊飼いの礼拝』だそう。
キリストを抱く聖母マリアが、忠臣蔵になっていると思うと、なんだかとても違和感がありますが… 安田雷洲は、なぜこれを元に赤穂義士を描こうと思ったのでしょうか。
特にすごく面白い絵という訳でもないのですが、印象深かったので、強く記憶に残っています。
季節の花々もきれいでした
帰りに寄った太宰府天満宮の境内では、季節の花々も楽しめました。
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こちらはちょっと変わった種類のあじさい。雨に濡れてきれいでした。
![](https://fukuoka-kurashi.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_2245-700x525.jpg)
こちらは菖蒲池の菖蒲。なんと55種3万本も植えられているそう!
あいにくの天気でしたが、花を見るため多くの人が集まっていました。
太宰府は博物館や天満宮、季節の花々など、一気に色々楽しめる点が良いところだなぁと感じています。
北斎展から帰ってきて、ジャポニスム熱がまた復活してきています。
今まで浮世絵はそこまで興味がなかったのですが、今回の北斎展をきっかけに、浮世絵の勉強も少ししてみたいなぁと思っています。