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ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』感想|ジルーシャ・アボットの様に書くことで人生を切り開いていきたい

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先日、ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』をライブ配信で観ました。まさか配信があるとは思っていなくて完全ノーチェックだったのですが、上白石萌音ちゃんのインスタで知って急いで購入!

有名な作品であるということ以外、何の知識もないまま見始めたものの、充分に楽しめる素晴らしい舞台でした。

作品について

『ダディ・ロング・レッグズ』と書くと何だか何の話かよくわからないような気もしますが、「あしながおじさん」といえばピンとくる方も多いのではないでしょうか。簡単なあらすじは、こんな感じ。

簡単なあらすじ

孤児院に暮らす主人公のジルーシャ・アボットは、ある日「月に一度手紙を書くかわりに、大学への進学と勉学を保証する」という思いがけない手紙を受け取ります。手紙の送り主は、顔も見たことがなく、シルエットしか知らない相手。

ただ足が長い男性ということだけしか分からない相手でしたが、ジルーシャは手紙を送り続けます。金銭的援助をしているあしながおじさん(ジャーヴィス・ペンドルトン)は最初は手紙を疎ましく思いつつも、次第に彼女に惹かれていきます。姿を隠し続けていたジャーヴィスは、ついに彼女に会うことを決意し…

この舞台の最大の特徴は、舞台に登場する役者さんがたった2人だけであることです。

主人公の女の子ジルーシャ・アボットと、彼女に金銭的援助をするジャーヴィス・ペンドルトンという青年の2人を中心に舞台が進められ、その他の人物が登場する際には、ジルーシャが一人で何役も演じます。

先程も少し書いた通り、作品に関する情報は全くナシで見始めてしまったので、最初は他の登場人物は録音で音声が流されているのだと思っていました。

しかし主人公のジルーシャを演じる萌音ちゃんがたった一人で演じているのだと知り、心底びっくり!

舞台は主人公の一人称で進められるため、彼女が歌うのをやめるシーンはほとんどありません。

喜怒哀楽を歌に込め、登場人物によって巧みに声色を変える。そのような役者さんの魅力を感じられる作品でもあると感じました。

作品を観た感想

さて、話が長くなってきましたが、私がこれほど本作が印象深い作品だと感じたのは、主人公のジルーシャが援助を受けることになったきっかけにあります。

主人公のジルーシャとジャーヴィスに接点はなく、唯一のきっかけは、彼女が書いた作文にありました。ジャーヴィスは彼女が書いた作文を見て、彼女の才能に惹かれ、学費の支払いという投資を行うことにしたのです。

そしてジャーヴィスは彼女からの好奇心旺盛な手紙を受け取り続けることで、彼女にどんどん興味を示していきました。

つまり、彼女は作文を書かなければ、大学に行くこともなく、ジャーヴィスと会うことも一生なかったことになります。そう、彼女は書くことで自分の人生を切り開いたのです。

これに気づいたとき、『若草物語』を思い出しました。『若草物語』の主人公であるジョセフィーン・マーチは苦しい中でも小説家になる夢を諦めず、どんなに酷評されても書くことを辞めませんでした。

そして、誰にも振り回されず彼女自身の人生を生き続け、最後には成功を手に入れます。

そういえば、「若草物語」を原作としたミュージカル「リトル・ウィメン」を観た際も、ジョーのように書くことを辞めずにいたいと思ったのでした。

ジョセフィーン・マーチのように、どんな時も書くことへの情熱を失わぬ人でありたい

そして今回、「ダディ・ロング・レッグズ」を観て、またその気持ちが大きくなっています。

誰が見ている訳でなくても、書き続けることで人生を自ら切り開いていきたい。心からそう思った鑑賞となりました。再演があれば、またぜひ観たいと思います。