宝塚歌劇星組公演『ロミオとジュリエット』の感想|こんなに好きになれるロミジュリは初めてだ!

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5月23日に、星組公演『ロミオとジュリエット』の大千秋楽公演をライブ配信で観ました。

実は3月7日の公演も観ていたのですが、日程によってキャストが違うのと、とても気に入ったので、大千秋楽の配信を楽しみにしていました。

ちなみに3月に観たのはB日程、今回はA日程です。

メインのお二人は変わらないのですが、「死」や「ティボルト」などの重要な役を演じる人がシャッフルされます。

今回の公演は役替りによってかなり受ける印象が変わったので、これから観る人はできればA/B公演チェックして欲しいですね。

さて、肝心の公演についてですが…
一回目を観ただけで「とても好感を持てるロミジュリだな!」と感じました。

過去の公演はだいぶ前に専門チャンネルのスカイステージで観たものの、そのときは正直あまり面白いと思えなかったんです。
なんだか話に入りこめなくて。みんなずっとモメてるなーって思って観ていました。

でも今回はすごく各生徒さんが役に近いと言うか、より「役を生きている」感じが伝わってきて、自然体な舞台といった印象を受けました。

全ての役についてはとても書ききれないので、ここではどうしても書いておきたい役について書いてみようと思います!

ロミオ/礼真琴さん

3月の公演を観たときにTwitterにも書いたのですが、礼さんのロミオは「いい人そう・モテそう・明るいけど影がある」という、ロミオに必要な3条件を全て満たしていて、なんて適役!と思いました。

ロミオってただ明るくて爽やかなだけではできない役だと思うので、明と暗が共存している姿が非常に魅力的でした。

そうそう、ロミオについて少し気になったことがあって。
3月の公演を観たときにはあまり感じなかったのですが、今回の大千秋楽では「無意識のうちに死に近づいていっている」様に思えました。

ロミオって登場シーンがキラキラなのに、いきなり死への恐怖を歌うところが以前からどうしてもよく分からなくて。
でも大千秋楽で観たロミオは、明るいけど最初から死への恐れや恐怖がどこかに現れているような感じがして、なんとなく「死への恐怖」が理解しやすかったです。

ロミジュリって、愛の物語なのだけれど、愛の誕生と同時に死に近づいていく話なのですよね。
そう考えると、「死」の存在の重要性を改めて感じます。

ジュリエット/舞空瞳さん

とってもキュートなジュリエット。
ロミオもジュリエットも、恋に恋している感じが最高でした。

でも舞空さんのジュリエットは、ただキュートなだけでなく、芯が強くて、どこか乳母と似た部分があるように感じました。

強烈に印象に残っているのが、仮面舞踏会の夜にバルコニーでロミオと話すシーン。
「今行くってば!!!!」が強すぎて思わず笑ってしまいました。

絶対に3月の公演よりも言い方がパワーアップしてる気がする。
また”現代の女の子”感が強いところも素敵でした。

ティボルト/愛月ひかるさん(A)瀬央ゆりあさん(B)

A日程とB日程で役替りのティボルト。

ティボルトって、ロミオとジュリエットの次に重要な役だと思うのです。
なので、役替りでどんな風に違うのかなと思い楽しみにしていました。

瀬央さんのティボルトは、とにかくナイフのように鋭くてギラギラしている感じが印象的でした。
とても近寄り難いオーラが発せられていて、”強い男”感が素晴らしかったです。

一方愛月さんは、心の叫びが非常に強く伝わってくるティボルトでした。
「本当の俺は違う」という言葉に心から納得できるようなディボルトで、もしキャピュレットとモンタギューが敵対していなかったらバージョンがあったら、ぜひ観てみたいと感じさせるほど。

お二人ともとっても素敵なティボルトでした。

乳母/有沙瞳さん

ロミジュリと言えば、乳母の存在は欠かせません。
有沙さん演じる乳母はもう言葉にできないぐらい素晴らしくって、いやー有沙さんが乳母役でよかったなって心から思いました。

乳母は本当の母親ではないけれど、母親以上の愛情を見せなければならない役だと思うのです。
有沙さんの乳母からは、母性やジュリエットを心から思う気持ちなどが感じられて、とても好きになれるキャラクターでした。

死/天華えまさん(A)愛月ひかるさん(B)

「死」も、演者によってすごく印象が変わる役です。
天華さんの死は、気がついたら影で微笑んでいる感じがしました。
人が苦しんで、死に近づいていっている様子を楽しんで見ているような、そんな印象です。
ニヤァっと笑う様子が印象に残っています。

一方愛月さんの死は、蛇のようにぬるりとしていて、人が不幸を感じるときにひっそりと現れ、人間の様子を見ているような感じ。
まるでエリザベートのトートのようだなと。
どこからともなくぬるりと現れ、人の行動をじっと眺めている様子は16宙エリザを思い出させました。Twitterのトレンドにもなった「愛ちゃんの死」。とっても好きでした。

21星公演は、私の中でナンバーワンロミジュリ

正直に言うと、今までのロミジュリを全て観ている訳ではないです。
でもこんなにもぴったりのキャストが揃う公演って、なかなかないのではと思うのです。

ということで、21星公演は(いまのところ)私の中でナンバーワンロミジュリです。
もし「宝塚のロミジュリが観たい」と言う人がいたら、この公演を心からおすすめします。

A/B両方ともそれぞれの良さがあるので、これから観る方はぜひ両方チェックしてみてください!