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「人生とは何か」との一つの大きな問いに、
知人から勧められた映画が答えを与えてくれた。
『素晴らしき哉、人生!』
1946年に公開されたアメリカ映画だ。
人生とは難しいものである。
自分の思う通りにはならないし、好きに生きたいと思っても中々その通りにはならない。
この映画の主人公であるジョージ・ベイリーもまた、自分の望む生き方について悩み続けてきた一人である。
主人公のジョージは、住宅金融会社を営む父を持つ青年だ。
勉強熱心で、大学に行き世界中を旅し、建築家になる夢を描いていた。
しかし父の急逝により突然会社を継ぐことになり、夢を全て諦めることに。
それだけでなく、会社は中々上手くいかず経営難に苦しんでいた。
家庭を持つこともでき幸せに暮らしていたが、ある日部下のミスにより大金を失い、自暴自棄になってしまう。
クリスマスイブに自殺を図ろうと冷たい川に飛び込もうとした瞬間、突然天使を名乗る男が現れて……
望む生き方と人生
自由とは、人生の課題とは何なのか。
誰しも一度は考える悩みであり、問いであろう。
自身が心から望んだものは、ほとんど手に入らなかったジョージ。
大学行って勉強することも、世界中を旅することも、建築家になることもできなかった。
本当に何もない人から見れば、彼は会社も家庭もある、素晴らしい人生を歩んでいる人物だと見えたかもしれない。しかし、ジョージにとっては全てが苦しみであり、何もかもが上手くいかないことに悩みながら生きてきたのだ。
彼は真面目で実直な人間であり、お人好しである。
夢や希望を持ち生きる勉強熱心な人間であるが、周囲のことを考えすぎて自身のことがおろそかになってしまい、結局思い描いていた様な人生を歩めずにいる。
ジョージは幸せな家庭も仕事も手に入れたが、自分が心から願ったことは手に入れられなかった。
人生とはままならないものである。
「当たり前」を実感するということ
ジョージは真面目に生きてきたのにも関わらず、次々に災難に見舞われるほか、極め付けには部下のミスにより突然大金を失い、罪に問われそうになる。
しかし彼はその後、天使との出会いによって「当たり前に与えられていたものの幸せ」を実感することで、全てを受け入れることを決意する。
ジョージは天使から与えられた気付きによって、苦痛に満ちた現実を「最上の幸せ」と感じられる様になり、与えられていた幸せの有り難みに気付いたのだ。
当たり前に与えられていたものは、自身がそこから一旦離れてみなければ、中々実感できないものである。
私たちは日々、当たり前に囲まれて暮らしている。
毎日、無事に過ごせること。住む家があること。着る服や食べるものがあること。
だが当たり前はある日突然なくなるかもしれないということを、決して忘れてはならないと感じる。
10年前の3月、私の「当たり前」はガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
当時の自宅は東京であったため、津波に流された訳でも、自宅が崩壊した訳でもない。
しかし、日々の平穏で平和な日常を過ごしていた自分にとっては衝撃的な出来事であり、心から「日常」と「当たり前」の有り難さを実感したのであった。
また、同時に望む生き方とは、人生とは何なのかを考えさせられた。
私たちは日々、様々な悩みを抱えながら生きている。人生とは何か、なぜ物事がうまくいかないのか。人と人との繋がりとは。
そのような大きな悩みに、この映画はきっと一つの答えを与えてくれるはずである。
真面目に生きていれば、どこかで救いの手が現れるのかもしれない。
ベタかもしれないが、そんな風に思わせてくれる映画だ。
(※この記事は、以前別ブログにて公開していたものに加筆修正を行ったものです)