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「芸術とは何のためにあるのか」という問いに対する答え

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「芸術って、何のために存在すると思いますか」

それは、カフェで働いていたときのこと。
ある日一緒に勤務していた人から、そう問われました。

その時わたしが何と答えたのか、もう良く覚えていません。
あれからそれほど時間は経っていないはずなのに、自分が出した答えはすっかりどこかに消え、その問いかけだけわたしの中に残り続けています。

コロナ禍になって、その問いは一層強くなりました。
不要不急の外出を避けて、なるべく家で過ごすように。
美術館も門を閉じ、劇場の灯りが消え、図書館さえも入れなくなりました。

芸術や文化など、生きていくために必要ないと、遠回しに言われているような気さえしました。
エンターテインメントとは。芸術とは何のために存在するのか。
SNSでも、そんなことを書いている人を多く目にしたように感じます。

コロナ禍になって、わたしが出した答え。
それは、芸術とは、どうしても埋まらない心の隙間を埋めるために存在するのではないかということです。

目の前のことに忙しくしていて、しばらく芸術から離れていました。
でもそうすると、段々癒えない疲れがたまっていくように感じるのです。

今月になって、どうしても観たい作品があったので、無理に時間を作って舞台を2本観ました。
カラカラになっていた心の隙間に、何かが流れ込んでくるような感覚を覚え、何かを書かずにはいられないような心境になりました。

うまく言語化できず、まだ処理できていない感情がぐるぐると渦巻いていて。
そのエネルギーが、わたしをどこかで突き動かしているようにも感じています。

情報を得すぎて疲れ切っている現代人にとって、何もせず目の前で繰り広げられていくことに集中する空間は、非常に貴重な時間なのかもしれません。

そういった意味でも、わたしは美術館や劇場が好きなのだなと改めて感じました。

この問いに答えはないし、おそらく答えは皆違うのだと思います。
でも、自分にとって自分を救える存在があるかどうか。

それが重要なのではと感じますし、わたしにとって、芸術がきっとそうなのだと感じたのです。

溺れかけていたところから、水面に出て、楽に呼吸ができるような。
この何かを形にせずにはいられないような、そんな瞬間をこれからも大切に過ごしたいと考えています。